やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2019/05/07
2019年10月からの新しい請求書の記載内容

[相談]

 私はパン販売店を経営しています。
 店内にイートインスペースはなく、製造したパンは全て持ち帰り用として販売しています。
 ところで、2019年10月1日から消費税軽減税率制度が導入されることに伴い、お客様へ渡す請求書や領収書の記載内容が変更となる場合があるそうですが、どのように変更されるのでしょうか。


[回答]

 2019年10月1日から、「区分記載請求書等保存方式」が導入されます。この方式では、請求書等に請求金額を税率ごとに合計し、その税込金額を記載することなど、これまでとはいくつかの変更点があります。詳細は下記解説をご参照ください。


[解説]

1. 食品の販売と消費税軽減税率

 2019年10月1日から消費税率が10%に引き上げられますが、同時に、食品の販売については、税率を8%とする軽減税率制度が導入されます。この場合の食品とは、食品表示法に規定する食品を指します。


2. 区分記載請求書等保存方式の記載内容

 事業者が課税仕入れに係る消費税を仕入税額控除として控除するためには、税込みの支払額が30,000円未満など一定の場合を除き、一定の事項が記載された帳簿および請求書等を保存しなければならないこととされています。
 2019年10月1日から2023年9月30日までの間については、現行の要件を維持しながら、軽減税率の適用対象か否かを明確に区分した帳簿および請求書等の保存要件が追加されます。これを「区分記載請求書等保存方式」といいます。
 たとえば、2019年10月1日以後の請求書等(区分記載請求書等)においては、次の事項の記載が求められることとされます。

  1. @ 書類作成者の氏名又は名称
  2. A 課税資産の譲渡等を行った年月日
  3. B 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(軽減税率対象である場合はその旨
  4. 消費税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額(税込価格)
  5. D 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

 上記のうち、下線部分が2019年10月1日から追加される部分です。
 なお、これら下線部分については、請求書等の交付を受けた側による、取引事実に基づいた追記も認められています。

 この区分記載請求書等保存方式は、現行と同様、売り手に課されるものではないため、今回のご相談の場合、パン販売店であるご相談者に区分記載請求書等の交付義務は課せられません。しかし、お客様側で仕入税額控除の適用を受けるために、区分記載請求書等の発行を求められたり、上記下線の追記をするための照会を受けたりすることが考えられます。

 そのため、国の「軽減税率対策補助金」などを活用し、軽減税率対応レジ等の導入を早期に検討しておくことも必要になるのではないかと思われます。


[参考]
 消法30、消令49、改正法附則34、軽減税率通達2、18、19など


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