トラブルにならないための〜法律の相続対策
トラブルにならないための〜法律の相続対策
文書作成日:2021/07/20


 今回は相談事例を通じて、相続登記の申請義務化についてご紹介します。



 最近、「相続登記の申請が義務化される」という話題を耳にします。これまでと比べてどのように変わり、いつから義務化されるのでしょうか?




 現在、相続登記(不動産の所有者が亡くなったときに、相続人へ名義を移す登記)の申請義務はありません。ただし2021年(令和3年)4月に法改正があり、相続登記の申請の義務化が決定しました。なお、「相続登記の申請の義務化」は、法律公布(2021年4月28日)後、3年以内に施行されます。




 施行後は、不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をする必要があります。正当な理由(※)なく申請をしない場合は、10万円以下の過料を処されます。

 なお、「相続人申告登記」が新設され、相続登記に必要な要件が整わない場合(例えば、遺産分割協議がまとまらない場合や他の相続人と連絡がついていない場合など)には、相続登記の代わりに「相続人申告登記」を利用することで、上記義務を果たしたことになります。
 この「相続人申告登記」は、相続人の1人から、相続人であることを証明する戸籍を用意するだけで手続きを履行できます。ただし相続登記と違い、あくまで暫定的な登記となります。例えば、その後不動産を処分などされたい場合は、改めて相続登記をする必要があります。

 また、「所有不動産記録証明制度」が新設され、特定の者が名義人となっている不動産の一覧を証明書として発行することができます。これにより、相続登記が必要な不動産の把握が容易になります。


(※)「正当な理由」に当たるかどうかは、登記官の判断になります。登記官の判断基準については、今後、法務省から通達で明文化される予定です。国会での質疑応答によりますと、以下のようなケースが考えられます。

  • 数次相続が発生し、相続人の数が何十名となり、遺産分割協議が成立するのに時間を要する場合
  • 遺言書の有効性について争われている場合
  • 不動産を取得した相続人が重病者である場合
  • 不動産を取得した相続人がDV被害者である場合
  • 不動産を取得した相続人が生活困窮者である場合


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